こんにちは、たねやつです。
新しいプロジェクト、たくさんの宿題、副業の依頼…やる気に満ち溢れて、ついたくさん引き受けてしまったものの、後から「これ、全部できるかな…?」と後悔した経験はありませんか?日本語では「安請け合いする」や「手を広げすぎる」と言いますが、英語にはこの状況を的確に表す、とても面白いイディオムがあります。それが bite off more than you can chew です。
直訳すると「噛める量より多くを噛みちぎる」。大きな食べ物を一口で頬張りすぎて、もぐもぐと口の中で持て余している様子を想像すると、その意味がすんなり理解できますよね。
この記事では、bite off more than you can chew の意味と使い方から、応用的なシナリオ、そして「能力を超えた仕事」に関連する他の英語表現まで、詳しく解説していきます。このイディオムは、自分への戒めや、他人へのアドバイスとして非常に役立ちます。
この記事で覚える英語表現
bite off more than you can chewの基本的な意味と使い方by ~ingを使った具体的な内容の示し方- 自分や他人を主語にした様々な使い方
- 「無謀な挑戦」に関連する類義語・代替表現
- 仕事や学習計画における実践的な使い方
今日の英語表現
bite off more than you can chew の基本的な意味
bite off more than you can chew は、「自分の能力以上の仕事や責任を引き受ける」「手にあまるほどのことをやろうとする」「無謀な計画を立てる」という意味のイディオムです。
自分の処理能力(噛める量)を超えて、仕事や課題(食べ物)を引き受けて(噛みちぎって)しまい、結局うまくこなせない、という状況を比喩的に表しています。
bite off more than you can chew の使い方
肯定文:「彼は自分の能力以上の仕事を引き受けた」
bite off more than you can chew は動詞句として使います。
I think I bit off more than I can chew when I agreed to manage three projects at the same time. (同時に3つのプロジェクトを管理することに同意した時、私は自分の能力以上のことを引き受けてしまったと思う。)
He's a very ambitious person, but he often bites off more than he can chew. (彼はとても野心的な人物だが、しばしば自分の能力以上のことに手を出してしまう。)
`He bit off more than he could chew by taking on that extra work.` のように、`by ~ing` を使って「その追加の仕事を引き受けることで」のように、何が無謀だったのかを具体的に示すことができます。
応用編:様々なシナリオで使ってみよう
このイディオムは、仕事、勉強、プライベートな計画など、様々な場面で使うことができます。
学習計画について:
Trying to learn three languages at once is biting off more than you can chew.(一度に3つの言語を学ぼうとするのは、少し無謀だよ。)他人へのアドバイスとして:
Don't bite off more than you can chew. It's better to do one thing well than many things poorly.(自分の能力以上のことを引き受けないように。多くのことを下手にやるより、一つのことを上手にやる方が良い。)過去の反省として:
I definitely bit off more than I could chew with that DIY project. It's still not finished.(あのDIYプロジェクトは、明らかに私の手に余るものだった。まだ終わっていないんだ。)
「無謀な挑戦」を伝える代替表現
bite off more than you can chew の他にも、「能力以上のことに挑戦する」ニュアンスを持つ表現はいくつかあります。
be in over one's head
「(困難な状況に)首までどっぷり浸かっている」「自分の手に負えない状況にある」という意味です。特に、問題や困難の真っ只中にいて、どうしていいか分からない状態を表します。
He's in over his head with that new project. He needs help. (彼はその新しいプロジェクトで完全に手一杯になっている。助けが必要だ。)
take on too much
「あまりにも多くを引き受けすぎる」という、より直接的で分かりやすい表現です。イディオムよりもシンプルに、状況を説明したい時に便利です。
She's always tired because she takes on too much at work. (彼女は職場で多くの仕事を引き受けすぎるので、いつも疲れている。)
overcommit oneself
「過剰に約束する」「できもしないことを請け負う」という動詞です。時間や能力の限界を超えて、多くの責任を負ってしまうことを指す、少しフォーマルな表現です。
I overcommitted myself this month with too many social events. (今月は、あまりに多くの社交的なイベントを約束しすぎてしまった。)
今日の英語クイズ
新入社員が、経験も浅いのに、大きなプロジェクトのリーダーに自ら立候補しました。あなたは彼の意欲を買いつつも、少し心配しています。この状況を表すのに最も適切な表現はどれでしょう?
- He is hitting the nail on the head.
- I'm afraid he might be biting off more than he can chew.
- The ball is in his court now.
- It will be a piece of cake for him.
答え
正解は 2. I'm afraid he might be biting off more than he can chew. です。
I'm afraid ~(~ではないかと心配だ)と組み合わせることで、彼の意欲を尊重しつつも、「彼の能力以上の仕事を引き受けているのではないか」という懸念を丁寧に表現することができます。
最後に
今回は、「自分の能力以上のことを引き受けようとする」を意味する bite off more than you can chew というイディオムをご紹介しました。食べ物を頬張りすぎるという、身近なイメージで覚えやすい表現でしたね。
このイディオムは、自分自身の計画を見直す際の戒めとして、また、頑張りすぎている友人や同僚へアドバイスする際の、思いやりのある表現として使うことができます。
自分のキャパシティを把握し、無理のない計画を立てることはとても大切です。この表現を覚えて、自分や周りの状況を客観的に見るのに役立ててみてください。
参考・引用
- 特になし