こんにちは、たねやつです。
これから舞台に立つ友人や、大事なプレゼンに臨む同僚に「頑張ってね!」と声をかけたい時、英語で何と言いますか? Good luck! が一般的ですが、実はネイティブスピーカー、特にエンターテイメントの世界では、あえて縁起の悪い言葉をかけることで成功を祈る、ユニークな習慣があります。その代表的な表現が Break a leg! です。
直訳すると「脚を折れ!」。なんとも物騒な言葉ですが、これがなぜ「頑張って!」という応援のメッセージになるのでしょうか?
この記事では、Break a leg! の面白い由来から、正しい使い方、Good luck! との使い分け、そして「幸運を祈る」ための他の英語表現まで、詳しく解説していきます。この表現をマスターすれば、あなたもネイティブさながらの粋な応援ができるようになりますよ!
この記事で覚える英語表現
Break a leg!の基本的な意味と由来Break a leg!の正しい使い方と文化的背景Good luck!とのニュアンスの違いと使い分け- 「幸運を祈る」を意味する類義語・代替表現
- 様々なシーンでの実践的な使い方
今日の英語表現
Break a leg! の基本的な意味と由来
Break a leg! は、「頑張ってね!」「成功を祈るよ!」という意味で使われるイディオムです。特に、俳優、ミュージシャン、ダンサーなどが舞台に出る直前や、大事なパフォーマンスの前に使われるのが伝統です。
由来について
この奇妙な表現の由来にはいくつかの説があります。
最も有名なのは、演劇界の迷信から来ているという説です。舞台の世界では、「幸運を祈る(Good luck)」と直接言うと、逆に悪霊やいたずら好きな妖精が嫉妬して、不運をもたらすと信じられていました。そのため、あえて Break a leg!(脚を折れ!)のような不吉な言葉をかけることで、悪霊を騙し、災いを避けて成功を呼び込もうとしたのです。
また、別の説では、舞台のカーテンコールで、観客への感謝を示すために役者が膝を曲げてお辞儀をする(脚を折るように見える)姿から、「何度もカーテンコールができるほど素晴らしい演技をしてね」という意味が込められたとも言われています。
Break a leg! の使い方
応援の言葉として:「頑張って!」
Break a leg! は、相手への応援の気持ちを伝える、独立したフレーズとして使います。
"I'm so nervous about my audition today." "Don't be! Break a leg!" (「今日のオーディション、すごく緊張するよ。」「大丈夫!頑張ってね!」)
This is your first big presentation, right? Break a leg! (これが君の初めての大きなプレゼンだよね?成功を祈るよ!)
これはあくまでイディオム(慣用句)です。実際に怪我をしている人や、これからスキーに行く人など、本当に脚を折りかねない状況の人に使うのは不適切なので避けましょう。ユーモアが通じない皮肉になってしまいます。
Good luck! との使い分け
Good luck! はどんな状況でも使える万能な応援の言葉ですが、Break a leg! は少し特殊です。
- Good luck!: オールマイティ。試験、スポーツの試合、新しい仕事など、あらゆる場面で使えます。
- Break a leg!: 主にパフォーマンスの前に使われます。演劇、音楽、ダンス、プレゼンテーション、スピーチなど、観客の前で何かを披露する状況に最適です。最近では、より広く「大事な本番」全般に対して使われることも増えてきました。
演劇や音楽に詳しい人に対して Break a leg! を使うと、「お、この人わかってるな」と思わせることができるかもしれませんね!
「幸運を祈る」を伝える代替表現
Break a leg! の他にも、相手の成功を祈る表現はたくさんあります。
Fingers crossed
「指を交差させる」というジェスチャーから来た表現で、「成功を祈ってるよ」「うまくいくといいね」という意味です。人差し指と中指をクロスさせながら言うのが一般的です。
I have a job interview tomorrow. Fingers crossed! (明日、仕事の面接があるんだ。うまくいくといいね!)
Knock on wood
「木を叩く」という、幸運を祈ったり、不運を避けたりするためのおまじないのような表現です。良いことが続いている時に「この幸運が続きますように」というニュアンスで使ったり、悪いことを口にした後に「不吉なことが起こりませんように」と使ったりします。
I've never had an accident so far, knock on wood. (今のところ一度も事故に遭ったことがないんだ、このまま何事もありませんように。)
The best of luck / All the best
Good luck を少し強調したり、よりフォーマルにしたりした表現です。「最大限の幸運を祈ります」という丁寧な気持ちが伝わります。
The best of luck on your new journey. (あなたの新しい門出に、最大限の幸運を祈ります。)
今日の英語クイズ
友人が、今夜ピアノのリサイタルで演奏します。彼女にかける応援の言葉として、最も粋で適切なものはどれでしょう?
- Be careful.
- Good luck! It's okay.
- Break a leg!
- Don't break your leg.
答え
正解は 3. Break a leg! です。
ピアノのリサイタルというパフォーマンスの前にかける言葉として、最も伝統的で粋な応援の表現です。Good luck! も間違いではありませんが、Break a leg! を使うことで、より文化的な背景を理解していることを示すことができます。
最後に
今回は、一見すると驚くような応援の言葉 Break a leg! をご紹介しました。直訳すると怖い言葉ですが、その裏には相手の成功を心から願う、温かい気持ちと面白い文化が隠されています。
このようなイディオムを知っていると、英語の面白さがさらに深まりますよね。
今度、友人や同僚が大事な本番に臨む際には、ぜひ Good luck! の代わりに Break a leg! と声をかけて、粋な応援をしてみてください!
参考・引用
- 特になし