【幼児英語の失敗談】英語嫌いになる子の親がやりがちな4つのNG行動

こんにちは、たねやつです。

我が子の可能性を広げたい一心で始める、幼児期の英語教育。しかし、その熱意が時に裏目に出てしまい、「こんなはずじゃなかった…」と後悔に繋がるケースも少なくありません。

今回は、少し耳の痛い話かもしれませんが、早期英語教育で陥りがちな「よくある失敗談」を4つのケーススタディとしてご紹介します。

大切なのは、失敗を恐れることではなく、他者の経験から学び、同じ轍を踏まないようにすることです。これらの失敗談を「我が家の場合はどうだろう?」と自分事として捉えながら、ぜひ読んでみてください。

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この記事でできること

  • 幼児期の英語教育で、多くの親が経験しがちな失敗パターンを学べます。
  • それぞれの失敗がなぜ起こるのか、その背景にある親の心理や行動を理解できます。
  • 失敗を回避し、子どもの「英語が好き」という気持ちを育むための具体的な対策がわかります。
  • 先輩たちの経験を通じて、より現実的で、地に足のついた英語教育の進め方を考えることができます。

失敗談1: 「英語で話して!」アウトプット強要で英語嫌いに

  • 状況:

    • 毎日英語のDVDを見せ、CDをかけ流し、インプットは十分なはず。それなのに、子どもは全く英語を話そうとしない。
    • 親は焦りを感じ、「これはなんて言うんだっけ?英語で言ってみて!」「Apple, please. って言うんだよ」と、日常生活の中で頻繁にアウトプットを促してしまう。
    • 次第に子どもは英語の時間を嫌がるようになり、DVDを見せようとすると「ヤダ!」と逃げ出すようになってしまった。
  • 原因分析:

    • 子どもには、インプットした言葉が自然と口から出てくるまでの「沈黙の期間(サイレントピリオド)」があります。この期間は、頭の中で言語のシステムを構築している非常に重要な時間です。
    • 親が成果を急ぐあまり、この沈黙を破って無理に言葉を引き出そうとすることが、子どもにとって大きなプレッシャーとなり、「英語=試される、やらされるもの」というネガティブな感情を抱かせてしまったのです。
  • 対策:

    • アウトプットは強要しない。ひたすら待つ。 これが鉄則です。
    • 親は、子どもが話すことではなく、楽しんでインプットできているかに焦点を当てましょう。
    • 子どもがポツリと単語を言ったら、「言えたね!すごい!」と最大限に褒めてあげることが、次の言葉を引き出す何よりの原動力になります。

失敗談2: 高額教材を購入したものの…宝の持ち腐れに

  • 状況:

    • 「子どもの将来のためなら」と意気込み、数十万円もする英語のフルセット教材を購入。
    • しかし、共働きで忙しく、毎日教材を使って子どもと向き合う時間がなかなか取れない。
    • DVDはただ見せっぱなし、CDはかけ流すだけ。高価なおもちゃも、最初のうちだけで、あとは部屋の隅に追いやられてしまった。
  • 原因分析:

    • 多くの体系的な教材は、親がガイドブックを読み込み、子どもの発達に合わせて適切に働きかけることを前提に作られています。
    • 「教材さえ与えれば、勝手に英語が身につくだろう」という期待と、現実のライフスタイルとの間にギャップがあったことが原因です。
  • 対策:

    • 購入前に、「本当にこの教材を使いこなす時間と精神的な余裕があるか?」を冷静に自問自答する。
    • まずは、図書館で借りられる英語の絵本や、YouTubeの無料コンテンツ、安価なアプリなど、スモールスタートで試してみる。
    • 「全てを完璧にやろう」と気負わず、「今日はこのDVDを10分だけ一緒に見る」など、無理のない目標を設定する。

失敗談3: 親の熱意が空回り。日本語でのフォロー不足

  • 状況:

    • 英語の時間を確保するため、家では英語の動画だけを見せ、日本語のテレビ番組は禁止。
    • 親も片言の英語で話しかけることを徹底。
    • 子どもは英語の単語はいくつか知っているが、物語の登場人物の気持ちを理解したり、少し複雑な指示を理解したりすることが苦手なように見える。
  • 原因分析:

    • 英語に触れる時間を増やしたいという思いが強すぎるあまり、母語である日本語での豊かなコミュニケーションの機会を奪ってしまっています。
    • 子どもは、知らない単語や理解できない表現が出てきたとき、親に日本語で「これどういう意味?」と聞いたり、内容について親子で話し合ったりすることで、初めて深く理解することができます。このプロセスが欠けていたのです。
  • 対策:

    • 英語のコンテンツに触れた後は、「面白かったね!どんなお話だった?」と、必ず日本語で内容について話し合う時間を持つ。
    • 英語の時間は英語の時間、日本語の時間は日本語の時間と、メリハリをつける。
    • 英語に触れる時間と同じか、それ以上に、質の高い日本語の絵本の読み聞かせや、親子の対話を大切にする。

失敗談4: 「発音警察」になって子どものやる気を削ぐ

  • 状況:

    • 子どもが覚えたての英語で "I like reddo." と言った。
    • 親は「違うよ、『レッド』じゃなくて『ゥレェッド(red)』だよ。もう一回!」と、完璧な発音を求めて何度も言い直しをさせる。
    • 子どもは、話すたびに訂正されるのが嫌になり、自信をなくして英語を話すのをためらうようになってしまった。
  • 原因分析:

    • 親が「ネイティブのような完璧な発音」にこだわりすぎるあまり、子どもの「伝えたい」という気持ちを蔑ろにしてしまっています。
    • 言語は、まず何よりもコミュニケーションのツールです。多少発音が違っていても、伝えようとする意欲そのものを認めてあげることが、学習の第一歩です。
  • 対策:

    • 細かい発音の間違いは、気にせずスルーする。
    • まずは「Red! You like red! Me too!」のように、子どもの言ったことを肯定的に受け止め、正しい発音をさらっと付け加えてあげるだけで十分です。
    • 完璧さよりも、英語で何かを伝えられたという「成功体験」を積ませてあげることを優先しましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。これらの失敗談は、どれも「子どものためを思って」という親の愛情から始まっているのが、皮肉であり、難しいところです。

大切なのは、親が「先生」や「監督」になろうとするのではなく、子どもと一緒に英語の世界を楽しむ「パートナー」になることなのかもしれません。

次回は、この「親のあり方」にさらに焦点を当て、英語教育を成功に導くための親のマインドセットについて、詳しくお話ししていきます。

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