こんにちは、たねやつです。
苦労して進めてきた計画が、根本的な問題でうまくいかなくなり、「もう一度、最初からやり直そう!」と決断する時、ありますよね。日本語では「白紙に戻す」「振り出しに戻る」と言いますが、英語にはこの状況を的確に表す、デザインや設計の現場から生まれたイディオムがあります。それが go back to the drawing board です。
直訳すると「製図板に戻る」。建築家やエンジニアが、設計図に問題が見つかったために、製図板(drawing board)の前にもう一度座って、一から設計を練り直す様子が目に浮かびます。
この記事では、go back to the drawing board の意味と使い方から、ビジネスや開発の現場での応用シナリオ、そして「やり直し」に関連する他の英語表現まで、詳しく解説していきます。このイディオムを使いこなせれば、失敗を認めて再出発する、その前向きな決意をスマートに表現できます。
この記事で覚える英語表現
go back to the drawing boardの基本的な意味と由来It's back to the drawing board.という決まり文句の使い方- 様々な失敗のシナリオでの応用的な使い方
- 「最初からやり直す」を意味する類義語・代替表現
- プロジェクト管理や問題解決における実践的な使い方
今日の英語表現
go back to the drawing board の基本的な意味
go back to the drawing board は、「(計画などが失敗したため)振り出しに戻ってやり直す」「一から計画を練り直す」という意味のイディオムです。現在の計画やアプローチが機能しないことが明らかになったため、根本的な部分から再設計・再考する必要がある状況を示します。
go back to the drawing board の使い方
肯定文:「我々は計画を練り直す必要がある」
go back to the drawing board は動詞句として使います。
Our new product failed to sell, so we have to go back to the drawing board. (我々の新製品は売れ行きが悪かった。そのため、我々は計画を根本から練り直さなければならない。)
The experiment didn't work as we expected. It's back to the drawing board for us. (実験は我々が期待したようにはいかなかった。振り出しに戻ってやり直しだ。)
`Well, it's back to the drawing board.` のように、独立したフレーズとして使われることが非常によくあります。「さて、振り出しに戻るか」といったニュアンスで、失敗を認めて次のステップに進む区切りの言葉として機能します。
応用編:様々なシナリオで使ってみよう
このイディオムは、ビジネス戦略、製品開発、科学実験、さらには個人的な計画まで、あらゆる「計画」が失敗した際に使うことができます。
ビジネス戦略で:
The marketing campaign was a complete failure. We need to go back to the drawing board.(そのマーケティングキャンペーンは完全な失敗だった。我々は戦略を練り直す必要がある。)製品開発で:
Users found the new app too complicated. The design team has to go back to the drawing board.(ユーザーは新しいアプリが複雑すぎると感じた。デザインチームは、設計を一からやり直さなければならない。)個人的な計画で:
My diet plan isn't working at all. I guess it's time to go back to the drawing board.(私のダイエット計画は、全く効果がない。どうやら、一から練り直す時が来たようだ。)
「やり直す」を伝える代替表現
go back to the drawing board の他にも、「最初からやり直す」ニュアンスを持つ表現はいくつかあります。
start from scratch
「ゼロから始める」「全くの最初から始める」という意味のイディオムです。go back to the drawing board が「計画を練り直す」ことに焦点を当てているのに対し、start from scratch は、より広範な「物事をゼロから構築する」というニュアンスで使われます。
The file was corrupted, so I had to start from scratch. (ファイルが破損してしまったので、私はゼロから作り直さなければならなかった。)
start over
「最初からやり直す」という、シンプルで一般的な表現です。日常会話で頻繁に使われます。
I made too many mistakes in this painting. I'm going to start over. (この絵は間違いが多すぎる。最初からやり直そう。)
rethink / reconsider
rethink は「再考する」、reconsider は「考え直す」という意味の動詞です。計画や決定に対して、もう一度根本から考え直す必要があることを示す、よりフォーマルな表現です。
We need to rethink our entire strategy. (我々は戦略全体を再考する必要がある。)
今日の英語クイズ
あなたが開発したアプリの試作品をユーザーテストにかけたところ、非常に評判が悪く、誰も使い方を理解できませんでした。チームに次のアクションを伝える時、最も適切な表現はどれでしょう?
- Let's go the extra mile.
- The users hit the nail on the head.
- Well, it's back to the drawing board, team.
- Let's call it a day.
答え
正解は 3. Well, it's back to the drawing board, team. です。
試作品が失敗に終わったという事実を受け止め、「チームの皆さん、さあ、設計をゼロからやり直そう」と、次のステップ(計画の練り直し)を明確に示しています。失敗を認めつつも、前向きに進もうとするリーダーシップが感じられる表現です。
最後に
今回は、失敗から再出発する際の決意を表す go back to the drawing board というイディオムをご紹介しました。製図板に向かい直す設計者の姿を思い浮かべると、その建設的なニュアンスがよく分かりますね。
失敗は成功のもと、と言いますが、このフレーズはまさにその精神を表しています。何かに行き詰まった時、この言葉を思い出すことで、新たな気持ちで再挑戦できるかもしれません。
ぜひこのスマートな表現を覚えて、プロジェクト管理や問題解決の場面で使ってみてください。
参考・引用
- 特になし